白髪の原因を解明 ?! その1

 

近い将来、女性が白髪染めから開放される日が来る!?近い将来、女性が白髪染めから開放される日が来る!?

年齢を重ねるとともに、目立ちはじめる白髪。“見た目年齢”に関わるため、女性は白髪にとても敏感です。老化現象のひとつである白髪ですが、その原因は謎が多く、根本的に治療する方法はまだ確立していません。 しかし2009年、白髪の仕組みについて解明した、と、研究機関が成果を発表。白髪予防・白髪治療への道すじが見えてきました。今回は白髪に関する新しい情報について、紹介いたします。

白髪の原因は「色素幹細胞」の枯渇

2009年6月、東京医科歯科大学・難治疾患研究所・幹細胞医学分野の西村栄美教授らの研究グループが、白髪になる仕組みを解明した、とアメリカの国際科学誌Cell(セル)に、2009年6月12日付で掲載発表しました。発表によると、マウスによる実験で、黒髪の色素(メラニン色素)を作る「色素幹細胞」が DNAの損傷を修復できずに「自己複製」しないで、すべて「分化(=それぞれの細胞が役割に見合う機能を身につけていくこと)」することがわかりました。その結果、色素幹細胞が枯渇して色素を作る細胞がなくなり、白髪になるそうです。 この白髪になる仕組みは、今回、初めて解明されました。

色素幹細胞がなくなると毛髪の色素もなくなる

幹細胞は、すべての細胞のもとになる細胞で、自分自身を無限に複製できる能力(自己複製)と、特殊な機能を持つ細胞へと分化する能力(多分化)を持っています。毛嚢(もうのう)にある色素幹細胞は、自己複製できるだけでなく、メラニン色素をつくる色素細胞(メラニン細胞)へと分化することもできます。

上:黒髪が継続するしくみ 下:白髪になるしくみ上:黒髪が持続するしくみ 下:白髪になるしくみ

毛髪の成長期には、色素細胞はメラニンを生成し続けます。色素細胞は複製されるため、黒髪は持続します。 白髪は、色素幹細胞が紫外線などの影響でDNAが損傷を受けることが原因で発生します。DNAの損傷を修復できないと判断すると自己複製機能が失われ、すべて色素細胞に分化してしまいます。色素細胞は、毛髪の成長期にはメラニンを生成し続けます。しかし、色素幹細胞が複製できないため、その数は減少します。つまり色素細胞の数が減少してしまうことになります。次に続く色素細胞がなくなっていくことで、白髪が増えるというわけです。

加齢とともに複製・分化の量的バランスが崩れてしまう?

幹細胞の枯渇と合わせて、ヒトの早老症原因遺伝子(ATM遺伝子)が、幹細胞の働きを監視する機能を持ち、幹細胞の質を維持することで、幹細胞が分化して枯渇してしまわないように働いていることも明らかになりました。つまり、加齢とともにこの監視機能が失われることで、複製・分化の量的バランスが崩れてしまう、ということ。この監視機能の働きを維持する方法が見つかれば、黒髪を保てることにつながります。 上記のような白髪の原因が解明されたことで、今後は新しい白髪の治療法の確立につながることはもちろん、アンチエイジングや再生医療への応用が期待されます。